
パチンコの稼働率と粗利は比例する?500台×30日の感度分析

結論から言うと、稼働率を上げれば粗利額の絶対値は大きくなりますが、粗利が必ずプラスになるわけではありません。今回の固定条件では回転率が遊技者側に有利だったため、500台×30日の平均粗利は稼働率25%の-23,453,717円から、100%の-90,655,477円へホール側マイナスが拡大しました。P05〜P95幅も10,916,680円から23,642,090円へ広がっています。稼働率は金額規模を動かしますが、1回転あたりの条件までは変えません。
執筆・検証:archivefan編集部
運営者の旧実戦ブログ「稼動日記と日々のアーカイブ」↗この記事の要点
- 平均粗利は稼働率25%で-23,453,717円、50%で-46,661,947円、75%で-69,270,363円、100%で-90,655,477円
- P05〜P95幅は稼働率25%の10,916,680円から100%の23,642,090円へ拡大した
- 100万回転あたり平均粗利は-2,842,875〜-2,747,136円で、稼働率より固定した回転率条件の影響が残った
- 架空3スペックの比較であり、実在店の粗利率・営業利益・特定機種の結果には一般化できない
比較結果
平均稼働率別の500台・30日粗利分布
平均稼働率25・50・75・100%を各30 Seedで比較。平均、P05〜P95、幅、100万回転あたり平均粗利を同じ単位で並べます。
| 平均稼働率 | 平均粗利 | P05〜P95 | 幅 | 100万回転あたり |
|---|---|---|---|---|
| 25% | -23,453,717円 | -29,071,660〜-18,154,980円 | 10,916,680円 | -2,842,875円 |
| 50% | -46,661,947円 | -55,948,005〜-39,816,045円 | 16,131,960円 | -2,827,997円 |
| 75% | -69,270,363円 | -81,523,580〜-59,226,915円 | 22,296,665円 | -2,798,802円 |
| 100% | -90,655,477円 | -106,425,650〜-82,783,560円 | 23,642,090円 | -2,747,136円 |
粗利は投入価値−払出価値。マイナスは本モデル上のホール側損失です。P05・P95はR-7線形補間で求めた30 Seed内の実測分位点で、将来の保証範囲ではありません。
検索質問への短い答え
稼働率と粗利額は、1回転あたりの粗利条件が同じならおおむね一緒に大きくなります。ただし、比例するのは金額の絶対値です。今回のように回転率がボーダーを上回る条件では、平均稼働率25%の平均-23,453,717円から、100%の-90,655,477円へホール側のマイナスが拡大しました。
同時に、P05〜P95の幅も10,916,680円から23,642,090円へ広がりました。稼働が増えると平均だけでなく、有限回の金額差も大きくなります。粗利額、粗利率、100万回転あたり粗利を分けて読むのがポイントです。
稼働率が上がると粗利の幅も広がる
P05〜P95幅は、平均稼働率25%で10,916,680円、50%で16,131,960円、75%で22,296,665円、100%で23,642,090円でした。稼働率100%の幅は25%の約2.17倍です。
平均粗利だけで営業条件を比べると、同じ条件で起こりうるSeed差を読み落とします。今回は30 Seedしかないため、P05とP95を精密な損失限界とは扱いません。感度の方向と金額規模を見るための実測帯です。
100万回転あたりで見ると差は小さい
100万回転あたり平均粗利は、稼働率25%で-2,842,875円、50%で-2,827,997円、75%で-2,798,802円、100%で-2,747,136円でした。粗利額の差に比べると、回転数で割った値は近い範囲にあります。
この結果は、稼働率が1回転あたりの期待条件を作るのではなく、固定した条件を何回積み上げるかを変える係数だと示しています。実店舗では機種人気、時間帯、回転率、持ち玉、貸玉構成が同時に動くため、稼働率だけで粗利を予測できません。
稼働率感度の条件と再現方法
平均稼働率を、フル稼働時の1台1日2,200回転へ掛ける係数と定義しました。25%は550回転、50%は1,100回転、75%は1,650回転、100%は2,200回転です。500台、30営業日、各30 Seedで比較し、4条件合計120条件・延べ24億7,500万回転を集計しました。
SeedはSEO-HALL-20260724-001〜SEO-HALL-20260724-030。同じSeedの乱数列を累積回転数で切り出す共通乱数法を使い、回転率・貸玉・交換率・機種構成を固定しました。P05・P25・中央値・P75・P95は、位置=(n−1)×pのR-7線形補間です。
日別の客付き、時間帯別稼働、稼働台の入替、機種人気差は入れていません。平均稼働率だけの感度を切り分けるための設計で、店長モードのピーク稼働率とは定義が違います。
- 対象:架空の甘デジ150台・ライトミドル150台・ミドル200台
- 平均稼働率:25%・50%・75%・100%
- 標本:各30 Seed、合計120条件
- 総回転:延べ24億7,500万回転
- 固定条件:回転率、貸玉、交換率、機種構成
- 集計:平均・標本標準偏差・P05・P25・中央値・P75・P95
台数比較:1台あたり標準偏差は小さくなる
1台あたり粗利のSeed間標本標準偏差は、1台421,336円、10台125,677円、100台35,817円、500台16,672円でした。平均値だけでなく、この散らばりを併記すると、有限回の結果がどの程度動いたかを比較できます。
独立で同じ分布の観測を平均する理論では、平均の標準誤差は標準偏差を√nで割った大きさになります。今回の3カテゴリ混合モデルは完全な同一分布ではないため、この式を実測値へそのまま当てはめてはいません。台数増加で平均のばらつきが縮む方向を理解する補助線として使っています。
合計金額:割合が安定しても絶対幅は残る
合計粗利のP05〜P95幅は、1台1,337,854円、10台4,292,330円、100台10,624,960円、500台23,642,090円でした。台数を掛けた合計値では、1台あたりの差が小さくても金額の絶対差は大きくなります。
したがって『500台なら収支は読める』は、割合や1台平均が安定しやすいという意味に限れば近いものの、合計金額がほぼ固定されるという意味では誤りです。予算管理では、平均・標準偏差・分位点を同じ単位でそろえ、日次と30日累計も分けて見ます。
1・10・100・500台比較の条件
架空のレインボー本店を10島×50台の500台とし、甘デジ150台、ライトミドル150台、ミドル200台を配置しました。1台1日2,200回転、30営業日、稼働率100%の比較用フル稼働で、1 Seedあたり3,300万回転、30 Seed合計9億9,000万回転です。
貸玉と交換率は甘デジが1円貸し・1円交換、ライトミドルとミドルが4円貸し・4円交換です。実効千円スタートは甘デジ65.751回、ライトミドル18.179回、ミドル17.015回。理論ボーダーは順に74.717回、15.808回、16.519回で、既定釘レベルは−4、+5、+1です。
Seed範囲はSEO-HALL-20260724-001〜SEO-HALL-20260724-030です。各台の乱数はホールSeedと台IDから導出し、本体のSeededRandomとsimulateMachineBatchで30日を連続実行しました。10・100台は500台の台別結果から甘30%・ライト30%・ミドル40%で層化抽出。1台は30 Seed全体で甘9・ライト9・ミドル12となるよう割り当て、カテゴリ内をSeed付きで抽出しました。
- 使用機種:架空の甘デジ・ライトミドル・ミドルの既定3タイプ
- 台数:500台(150台・150台・200台)
- 営業日数:30日、1台1日2,200回転
- 試行:30 Seed、合計9億9,000万回転
- 比較:1・10・100・500台の合計粗利、1台あたり粗利、粗利率
- 集計:平均・中央値・標本標準偏差・P05・P25・P75・P95
500台の実測:平均だけでは幅を読み落とす
30日粗利の中央50%は-94,520,900円〜-86,131,450円でした。平均だけを見るより、半数が入った幅を併記したほうが同条件の通常範囲を把握しやすくなります。
P05は-106,425,650円、P95は-82,783,560円です。30 Seedは分布の輪郭を見る最低限の反復であり、5%点や95%点を精密なリスク限界とみなすには不足します。
なぜ全Seedでホール側マイナスになったのか
今回の実効回転率は、ライトミドルとミドルで理論ボーダーを上回っています。等価交換かつフル稼働でその状態を30日続けたため、モデル上は遊技者側に有利な期待値が積み上がりました。これは抽選の異常ではなく、固定した回転率条件から説明できます。
それでもSeed間で約4,168万円の差が残りました。500台をまとめても、大当り、RUSH、LTの発生順序と出玉分布の偶然差は消えません。台数と日数を増やすと割合は安定しやすくなりますが、金額の絶対差がゼロになるわけではありません。
この検証で分かること・分からないこと
分かるのは、本シミュレーターの既定3スペックを指定条件で連続実行したときの粗利分布、平均稼働率だけを変えた感度、同じ500台母集団から台数を変えて抽出したときの実測差です。Seedを変えた同条件比較、平均・標準偏差・分位点、日次と30日累計の振れ幅は再現できます。
分からないのは、実在ホールの営業利益、特定機種の実機挙動、実際の客付き、持ち玉比率、景品原価、人件費、賃料、税、設備費などです。簡易モデルの粗利を実在店の決算や将来予測へ置き換えることはできません。
本結果は実戦結果や利益を保証しません。回転率・貸玉・交換率・機種構成の入力を変えた場合は、今回の表を流用せず改めて複数Seedを実行してください。
出典
定義・計算の参照資料
- [1] Sample sizes required ↗
NIST / SEMATECH — 平均の推定誤差と標本数の平方根の関係を確認する技術資料として使用。今回の混合モデルへ機械的に当てはめず、方向性の説明に限定。
参照日 2026-08-21
- [2] DK-SISデータから読み取る(2025年11月) ↗
ダイコク電機株式会社 — 遊技時間・アウト・台粗利が別指標として月次比較されることを確認する一次資料として参照。シミュレーション数値の校正には未使用。
参照日 2026-08-25
- [3] 業界早わかりガイド パチンコホールの収益構造 ↗
円谷フィールズホールディングス株式会社 — 粗利と純利益は同じではないこと、業界解説上の粗利率目安を確認する一次資料として参照。今回の架空条件へは代入していない。
参照日 2026-08-25
計算と根拠
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疑問を解消
よくある質問
Q. パチンコの稼働率を上げれば粗利も必ず増えますか?
いいえ。1回転あたりの粗利がプラスなら粗利額は増えやすく、マイナスなら損失額が増えやすくなります。今回の固定条件は回転率がボーダーを上回るため、稼働率が高いほどホール側マイナスが大きくなりました。
Q. この記事の稼働率は何を表しますか?
フル稼働時の1台1日2,200回転へ掛ける平均稼働係数です。25%なら550回転、100%なら2,200回転。時間帯別の客付きや店長モードのピーク稼働率とは定義が違います。
Q. 台数が増えるとパチンコ収支のブレは小さくなりますか?
1台あたり平均や粗利率のブレは小さくなりやすいです。ただし、台数を掛けた合計金額の絶対的なP05〜P95幅は大きくなりえます。比較する単位をそろえてください。
Q. 500台なら30日粗利はほぼ同じになりますか?
いいえ。今回も最小と最大で約4,168万円の差がありました。全体比率は安定しやすくなりますが、有限回の金額差は残ります。
Q. 30 Seedすべてマイナスなら実際のホールも赤字ですか?
分かりません。今回の架空スペック・等価交換・回転率・フル稼働だけの結果で、実在店の費用や営業条件を含みません。
Q. JSONから結果を再計算できますか?
できます。Seed別30日集計と各日データを保存し、テストで日次合計・分位点・先頭Seed初日の本体エンジン再実行を照合しています。