
パチンコは何時間打つと期待値が安定する?150万セッションで検証
結論からいうと、「何時間なら勝てる」という境目はありません。等価ボーダー18回、20回/千円、通常時200回転/時の架空モデルでは、1時間の平均は+1,111円、12時間で+13,333円です。一方、12時間のP05は-66,717円。時間だけで損失可能性は消えません。
執筆・検証:archivefan編集部
運営者の旧実戦ブログ「稼動日記と日々のアーカイブ」↗この記事の要点
- 20回/千円の平均は1時間+1,111円、12時間+13,333円。平均は時間に比例する
- 同条件の標準偏差は1時間14,026円、12時間48,587円。絶対幅は√時間に比例する
- 12時間の中央値は+4,328円、P05〜P95は-66,717〜+93,133円
- 19回/千円の12時間平均は+7,018円でも、中央値は-1,988円
- 30 Seed×各5,000セッション、全1,500,000セッションを二項分布の理論値と照合
- 時間はマイナス期待値をプラスに変えず、プラス期待値でも勝利や利益を保証しない
比較結果
20回/千円モデルの時間別収支分布
等価交換、ボーダー18回/千円、通常時1/319.7、200通常時回転/時の架空モデルです。平均だけでなく、中央値と損失側を含む分布を並べます。
| 時間 / 通常時回転 | 平均 | 中央値 | 標準偏差 | P05〜P95 | プラス割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1時間 / 200回 | +1,111円 | -10,000円 | 14,026円 | -10,000〜+25,522円 | 46.6% |
| 2時間 / 400回 | +2,222円 | -2,239円 | 19,836円 | -20,000〜+33,283円 | 35.6% |
| 4時間 / 800回 | +4,444円 | -4,478円 | 28,052円 | -40,000〜+48,806円 | 45.7% |
| 8時間 / 1,600回 | +8,889円 | +8,806円 | 39,671円 | -44,478〜+79,850円 | 56.1% |
| 12時間 / 2,400回 | +13,333円 | +4,328円 | 48,587円 | -66,717〜+93,133円 | 62.3% |
二項分布の理論値。実在機種の収支表・勝率表ではありません。大当り1回の価値を固定した単純モデルで、RUSH、電サポ、休憩、交換条件を含みません。
答え:何時間でも勝利は保証されない。見るべきは平均と分布
20回/千円では1回転期待値+5.56円です。200通常時回転/時なら平均は1時間+1,111円、12時間+13,333円へ増えます。ただし、12時間のP05は-66,717円、P95は+93,133円です。
したがって「何時間打てば期待値が安定するか」には、平均と実収支を分けて答える必要があります。平均の推定誤差は相対的に小さくなりますが、1回の収支の絶対的な振れ幅は広がります。時間は回転率を変えないため、マイナス期待値の台をプラスへ反転させません。
時間の法則:平均はt倍、標準偏差は√t倍
通常時回転数をN、1回転期待値をeとすると、平均損益はN×eです。一方、独立抽選と固定払出の単純モデルでは、損益の標準偏差は大当り1回の価値×√{N×p×(1−p)}です。時間あたり回転数が一定なら、平均は時間tに比例し、標準偏差は√tに比例します。
1時間を基準にすると、12時間の平均は12倍ですが、標準偏差は√12≒3.46倍です。平均との差を標準偏差で割った相対的な不確かさは小さくなる一方、円単位の絶対幅は14,026円から48,587円へ広がります。
プラス割合:離散的な当り回数のため単調には増えない
20回/千円のプラス収支確率は、1時間46.6%、12時間62.3%でした。19回/千円の12時間は47.7%です。これは勝率の実測値ではなく、収支0円を超える二項分布上の確率です。
途中の時間で割合が上下するのは、収支をプラスにするための必要大当り回数が整数だからです。次の大当り1回が必要になる境目で割合が下がるため、時間だけを増やせばプラス割合が滑らかに上がるとは限りません。平均期待値とプラス割合は別の指標です。
式:平均払出価値と平均投資価値を分ける
ボーダーは長期平均で投入と払出が釣り合う回転率です。そこで、ボーダーB回/千円の平均払出価値を1000/B円/回転、実回転率R回/千円の平均投資価値を1000/R円/回転と置きます。差を取れば EV=1000/B−1000/R です。
今回のB=18では平均払出価値を55.5556円/回転に固定しました。通常時1/319.7の独立抽選で理論平均がこの値になるよう、大当り1回の平均価値を17,761.111円に置いています。これは検算用の架空値で、実在機種の大当り出玉ではありません。
検証条件:150万セッションと理論分布を照合
時間分析は19・20回/千円の2条件、1・2・4・8・12時間の5区分です。1条件30 Seed×5,000セッション、全1,500,000セッション、延べ1,620,000,000通常時回転をモデル化しました。各Seedには回転率・時間・連番・日付を含めています。
各セッションは通常時1/319.7の二項分布です。Seed実測の平均、中央値、標本標準偏差、P05、P95、プラス割合を、同じ条件の厳密な二項分布理論値と照合しました。200通常時回転/時は比較用の固定換算で、実戦の総消化回転数を意味しません。
実回転率15・16・17・18・19・20・21回/千円を各30 Seedで検証しました。1 Seedは100,000回転、1条件300万回転、全7条件で21,000,000回転です。
乱数は本体と同じSeededRandomです。Seed範囲はSEO-EV-15-001-20260814からSEO-EV-21-030-20260814。生成日時は2026/8/19 11:31:31です。
回転率の計測誤差は、真の19回/千円から開始回数がポアソン分布で生じる架空モデルです。1千・5千・1万・2万円の各窓を30 Seed×1,000試行、合計120,000区間で測りました。
再現JSONには各Seedの初当り件数、実測率、収支、1回転実測値に加え、計測窓ごとの平均、中央値、標本標準偏差、P05・P95、ボーダー未満に見えた率を保存しています。単一Seedだけで結論を作っていません。
- 等価交換、ボーダー18回/千円
- 通常時1/319.7の独立抽選
- 大当り1回の平均価値は検算用に固定
- 100・500・1,000・2,000回転の累積理論値を比較
- 時間分析は各条件15万セッション。理論平均・標準偏差・離散分位点・プラス割合を同時に保存
- 非等価、現金投資率、持ち玉比率、出玉振り分けは対象外
計測誤差:真の+1回転でも短い区間ではボーダー未満に見える
真の回転率を19回/千円に固定しても、千円区間の開始回数はP05 12.0回〜P95 26.0回まで広がりました。ボーダー18回未満に見えた割合は実測38.3%、ポアソン理論37.8%です。
2万円区間ではP05 17.40回〜P95 20.65回へ狭まり、ボーダー未満に見える率も実測14.8%まで下がりました。計測窓を長くすると誤差は減りますが、実戦では保留、賞球、止め打ち、打ち出し速度など別の揺れも加わります。
積み上げ:累積期待値は回転数へ比例する
1回転期待値をe円、通常時回転数をN回とすると、累積期待値はN×e円です。17回/千円では2,000回転で-6,536円、20回では+11,111円、21回では+15,873円になります。
この線形性は平均について成り立ちます。実際の1日収支が直線になるわけではありません。初当りと出玉のばらつきが大きいため、有限回の収支経路は理論線の上下へ広く散らばります。
実測:理論値の周りにSeedごとの幅が残る
20回/千円の300万回転実測は+5.716606円/回転で、理論+5.555556円との差は0.161050円でした。
各10万回転の30 Seedでは、平均+5.717円、中央値+5.148円、標本標準偏差3.808円、P05〜P95は+0.521〜+11.507円/回転でした。
ボーダー18回の300万回転実測も-0.330円/回転で、有限標本では0円へ完全一致しません。期待値は理論平均であり、実測値には標本誤差が残ります。
分かること・分からないこと
分かるのは、等価交換の単純化した条件で、ボーダーとの差を1回転期待値へ直し、時間別の平均と分布を分ける方法です。150万セッション、2100万回転実測、12万計測区間は、公開JSON・生成スクリプト・検算テストで再現できます。
分からないのは、特定機種・特定店舗の正確な期待値です。実機では大当り出玉の振り分け、RUSH、残保留、電サポ増減、削り、オーバー入賞、交換率、持ち玉比率が加わります。公表スペックと実測回転率だけで全条件がそろうとは限りません。
1回転期待値がプラスでも、短期の勝利や利益は保証されません。期待値は予算上限や終了時刻を無効にする指標ではなく、次の当たりを予測するものでもありません。遊技時間を決める前に、失ってよい予算と終了時刻を先に固定してください。
やめたいのにやめられない、借金や生活への支障がある場合は、期待値計算より相談を優先してください。厚生労働省は保健所・精神保健福祉センターなどを相談先として案内しており、パチンコ・パチスロ問題の相談窓口としてリカバリーサポート・ネットワークもあります。
出典
定義・計算の参照資料
- [1] Binomial Distribution ↗
NIST / SEMATECH — 時間別の大当り回数を二項分布として扱い、平均np、標準偏差√np(1−p)、離散分位点、プラス収支確率を理論計算するために使用。
参照日 2026-08-19
- [2] Measures of Location ↗
NIST / SEMATECH — 期待値と実測平均、中央値を分けて扱い、分布の中心を複数指標で確認する技術資料として使用。
参照日 2026-08-14
- [3] Measures of Scale ↗
NIST / SEMATECH — Seed別の標準偏差とP05〜P95を、平均とは別の散らばり指標として解釈するために使用。
参照日 2026-08-14
- [4] Poisson Distribution ↗
NIST / SEMATECH — 一定区間の開始回数をポアソン分布で近似し、計測窓ごとの平均、標準偏差、ボーダー未満に見える確率を理論照合するために使用。
参照日 2026-08-15
- [5] 初心者にもわかるスペックの見方〜パチンコ篇〜 ↗
SANKYOオンライン博物館 — 実機では大当り確率だけでなく、RUSH・時短・出玉構造を合わせて読む必要があることを確認する一次資料として参照。
参照日 2026-08-14
- [6] 依存症対策 ↗
厚生労働省 — 保健所、精神保健福祉センター、依存症相談拠点など、公的な相談先の案内として参照。
参照日 2026-08-19
- [7] リカバリーサポート・ネットワーク ↗
認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク — パチンコ・パチスロの遊技に関する依存問題の相談窓口として案内。
参照日 2026-08-19
計算と根拠
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疑問を解消
よくある質問
Q. パチンコは何時間打てば期待値が安定しますか?
勝敗が安定する時間はありません。平均期待値は時間に比例しますが、1回の収支の標準偏差も時間の平方根に比例して増えます。平均、中央値、P05〜P95を分けて見てください。
Q. 12時間打てばプラス期待値の台で勝てますか?
保証されません。今回の20回/千円モデルでも12時間の平均はプラスですが、P05はマイナス66,717円です。実機のRUSHや出玉振り分けはさらに別の分布になります。
Q. 期待値は時間が長いほど高くなりますか?
1回転期待値がプラスで、同じ回転率を保てる架空条件なら累積平均は時間に比例します。1回転期待値がマイナスなら、時間を延ばすほど平均損失も増えます。
Q. ボーダーを1回転上回ると1日いくらですか?
等価ボーダー18回、実回転率19回、通常時2,000回転の単純モデルでは理論+5,847.95円です。実機条件や当日の勝敗を示す金額ではありません。
Q. 1回転期待値はどう計算しますか?
等価交換の簡易式なら、1000÷ボーダー回転率−1000÷実回転率です。非等価や現金投資・持ち玉混在では別の補正が必要です。
Q. ボーダー18回で20回回ると1回転いくらですか?
簡易式では1000÷18−1000÷20=+5.5556円/回転です。実在機種へ使う前に、ボーダーの前提と交換条件をそろえてください。
Q. プラス期待値ならその日も勝てますか?
保証されません。期待値は反復したときの平均で、1日や1回の収支は大当り・出玉分布の影響で大きくぶれます。
Q. 1回転期待値と時給は同じですか?
違います。時給へ直すには、通常時の有効回転数を時間あたり何回積めるかを掛けます。電サポ中や休憩を含める定義もそろえる必要があります。
Q. 非等価交換でも同じ式ですか?
そのままでは使えません。交換率、現金投資率、持ち玉比率、再プレー条件を分け、平均払出価値と平均投資価値を同じ単位へ直します。
Q. 千円で19回ならボーダー+1回と判断できますか?
千円だけでは計測誤差が大きく、判断材料として弱いです。今回の単純モデルでも、真の19回が18回未満に見える区間がありました。計測単位と保留・賞球などの条件をそろえ、長めに記録する必要があります。