
実測確率1%は信用できる?100 Seedで95%信頼区間を検証
同じ実測1%でも、100回中1回の95%信頼区間は約0.177〜5.449%、1万回中100回なら約0.823〜1.215%です。割合だけでなく標本数を見る必要があります。
執筆:パチプローズ編集部 · 確率式とシミュレーター実装を照合して構成
運営者の旧実戦ブログ「稼動日記と日々のアーカイブ」↗この記事の要点
- 実測確率が同じ1%でも、100回転と1万回転では推定の幅が大きく違う
- 100 Seed実測では10万回転時の実測率P05〜P95が0.948〜1.0492%まで狭まった
- 信頼区間は次の1回や収支を予測せず、異なる機種・状態を混ぜた集計にはそのまま使えない
MEASURED DATA
同じ1%の理論区間と100 Seed実測
固定した1%の観測例はWilson式で計算し、Seed行は架空1/100モデルを本体エンジンで100本反復した結果です。
| 条件 | 実測確率・平均 | 95%区間・P05〜P95 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 1回 / 100回転 | 1.000% | 0.177〜5.449% | Wilson 95%区間 |
| 10回 / 1,000回転 | 1.000% | 0.544〜1.831% | Wilson 95%区間 |
| 100回 / 10,000回転 | 1.000% | 0.823〜1.215% | Wilson 95%区間 |
| 100 Seed・各100回転 | 平均0.9300% | 0.0000〜2.0000% | 理論1%を含む 96/100 Seed |
| 100 Seed・各1,000回転 | 平均1.0370% | 0.4950〜1.5000% | 理論1%を含む 97/100 Seed |
| 100 Seed・各10,000回転 | 平均1.0088% | 0.8195〜1.1705% | 理論1%を含む 93/100 Seed |
| 100 Seed・各100,000回転 | 平均1.0006% | 0.9480〜1.0492% | 理論1%を含む 98/100 Seed |
| 全Seed合計 | 10,000,000回転 | 最終中央値0.9990% | 架空1/100独立抽選 |
P05〜P95はSeedごとの実測確率を小さい順に並べた中央90%です。Wilson区間とSeed分布は別の量なので、同じ列で目的を明記しています。
結論:実測率だけでは確からしさを判断できない
100回中1回も、1万回中100回も、割り算の答えは同じ1%です。しかし少ない標本ほど偶然の影響が大きいため、推定できる真の確率の幅は広くなります。100回中1回を見て『約1/100の台だ』と一点で断定することはできません。
Wilson 95%信頼区間では、1/100が約0.177〜5.449%、100/10,000が約0.823〜1.215%です。区間の読み方は『この一度の区間に真値が95%の確率で入る』ではなく、同じ手順を何度も繰り返すと作った区間の約95%が真値を含む、という頻度論上の性質です。
検証条件:架空1/100を100 Seed・合計1000万回転
本体のSeededRandom、createMachineState、simulateMachineBatchを使い、Seed SEO-CONFIDENCE-20260804-001-31251ba7〜SEO-CONFIDENCE-20260804-100-5c663f0cの100本を実行しました。各Seedを100、1,000、10,000、100,000回転で途中集計し、合計10,000,000回転です。
対象は通常時の初当りだけを持つ架空1/100独立抽選です。RUSH、LT、出玉、回転率、交換率、止め打ち、残保留は含めません。Seed間の散らばりは標本標準偏差、分位点はR-7、比率の区間はz=1.96のWilson法で計算しました。
- 理論確率:1/100(1%)
- 標本数:100 Seed、各Seed最大100,000回転
- 最終初当り回数:平均1,000.58回、中央値999回、標本標準偏差29.96回
- 生成日時:2026/8/4 22:44:08
同じ実測1%を標本数別に比べる
1/100、10/1,000、100/10,000は、点推定ではすべて1%です。それでも区間全体の幅は約5.272ポイント、1.287ポイント、0.392ポイントと順に狭くなります。分子だけ、分母だけ、割合だけを見るのではなく、三つをセットで確認する必要があります。
大当り履歴を比べるときも、当り回数と総回転数がそろって初めて実測確率を評価できます。短い履歴で理論値より高い、低いと見えても、区間が広ければ偶然の範囲を十分に絞れていません。
実測結果:100 Seedの中央90%も段階的に縮小
100回転時の実測確率P05〜P95は0.000〜2.000%でした。10,000回転では0.8195〜1.1705%、100,000回転では0.9480〜1.0492%まで狭まりました。
最終の実測確率は平均1.00058%、中央値0.9990%、標本標準偏差0.02996%です。理論1%と近い一方、100本すべてが同じ値になったわけではありません。
理論照合:標準誤差は回転数の平方根に反比例
独立した二項抽選で真の確率をp、試行数をnとすると、実測確率の標準誤差は√{p(1−p)/n}です。nを100倍にすると標準誤差は約1/10になります。回転数を10倍にしただけでは、推定幅は約1/√10にしかなりません。
100 Seedの平均Wilson区間幅は、100回転で5.024ポイント、1,000回転で1.294ポイント、10,000回転で0.393ポイント、100,000回転で0.123ポイントでした。平方根則に沿って縮小しています。
分かること・分からないこと
分かるのは、同じ独立抽選を同じ条件で集計したとき、標本数が増えるほど母確率の推定幅が狭くなることです。『実測1/○○』を比較するときに、総回転数が欠かせない理由も定量化できます。
分からないのは、次の1回が当るか、特定の台がいつ当るか、収支がいくらになるかです。RUSH中と通常時、異なる機種、時短・残保留など確率の異なる状態を混ぜた集計は、この単純な二項モデルの前提を満たしません。100 Seedの被覆本数も、将来の任意の100 Seedで同じ本数になる保証ではありません。
再現方法と注意点
再現JSONには条件、100 Seedの各チェックポイント、平均、中央値、標本標準偏差、P05・P25・P75・P95、Wilson区間と理論1%を含むかどうかを保存しました。生成スクリプトで同じSeedから再計算できます。
この記事は架空1/100モデルの統計検証で、実在機種の性能評価ではありません。信頼区間は勝敗予測や不正判定の単独根拠には使えず、実戦結果や利益を保証しません。
SOURCES
定義・計算の参照資料
- [1] Confidence intervals ↗
NIST/SEMATECH — 二項比率のWilson区間と頻度論上の信頼区間の計算方法を検算に使用。
参照日 2026-08-04
- [2] Probable Inference, the Law of Succession, and Statistical Inference ↗
Journal of the American Statistical Association — Wilson score intervalの原著。区間推定法の一次資料として参照。
参照日 2026-08-04
- [3] 遊技機に関する事象等について ↗
遊技産業不正対策情報機構(PSIO) — 大当り確率は規定回数ごとの保証ではなく、各抽選で一定という説明の確認に使用。
参照日 2026-08-04
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検証資料と関連ガイド
FAQ
よくある質問
Q. 実測確率が同じなら信頼度も同じですか?
同じではありません。1/100と100/10,000はどちらも1%ですが、Wilson 95%信頼区間は前者の約0.177〜5.449%に対し、後者は約0.823〜1.215%です。
Q. 95%信頼区間なら真の確率が95%で入っていますか?
頻度論では、同じ標本抽出と計算を繰り返したとき、作られた区間の約95%が真値を含む手続きと解釈します。観測後の特定区間へ真値が入る確率を95%と表す意味ではありません。
Q. 信頼区間で次の大当りを予測できますか?
できません。信頼区間は母確率の推定幅であり、独立抽選の次回転や収支を予測する区間ではありません。